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平成24年度パリ賞受賞の井上織衣さんにパリでの暮らしを紹介していただきます。
昨年の秋、レストランでイランのおばあちゃんと知り合いました。
時々一緒にギャラリーに行ったり、お茶をしたりしています。
3月20日がイランの旧正月だとおっしゃっており、
先日は旧正月にちなんだコンサートに招待してくださいました。
哀愁漂う曲からはじまり、最後は踊りだす観客もおりました。
寒い冬を乗り越えた先に、芽吹く草花。
春のおとずれに感謝を讃える、イランの歌でした。
2月下旬。フランスはモンブランにほど近い、ジュラに行ってまいりました。
友人のご家族があたたかく迎えてくださり、輝かしい日々を過ごせました。
美しく色あせた自然の色。
植物は枯れた姿のほうが美しく存在しているように思います。
ごろんと寝そべった丸太も作品のひとつのように。
膝まで積もった雪の中を走り回り、大きな雪だるまをつくりました。
かまくらのうえで寝転んで見えた景色。
やさしい白い馬。
日が沈む頃を、フランス語で”犬とオオカミのあいだ”といいます。
ジュラのまち。遠くの空からは天使のはしご。
自然のなかを駆け巡り、インスピレーションをたくさん受けた旅となりました。
井上 織衣
Orie Inoue
2008年女子美術大学大学院修了。ファッション造形学科専任助手を務めた後、インスタレーション・イラスト・アニメーションなどの様々な媒体を通したアーティスト活動を行う。
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