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平成24年度パリ賞受賞の井上織衣さんにパリでの暮らしを紹介していただきます。
クリスマスはイルミネーションで街中が輝きだすパリの夜。
今回はショーウィンドウとイルミネーション特集です。
絵画と組み合わされた、エルメスのディスプレイ。
光沢のある生地や装飾的な額縁から、上品な雰囲気が漂います。
ギャラリー・ラファイエット。
この全体を覆う細長いライトが7色に変化します。
そして、プランタン。
プランタンの今年のショーウィンドウを飾ったのは、ルイ・ヴィトン。
からくり人形が動き続け、ダチョウもゆっくりとまわっております。
くまは腕が上下に動き、こどもたちも釘付けに。
ディスプレイに見入る恋人たち。
そして家族。
こちらの静かな通りにもイルミネーション。
バス停にある広告は、ランコムの香水。
クリスマスにいたるところで見られるMarchés de Noël(マルシェ・ド・ノエル)。
日本でいう屋台といったところでしょうか。
クレープやチュロス、ホットワインなどの飲食物のほかに、
ハーブやスカーフなどなど、たくさんの商品が売られております。
こちらはめずらしいホットビール。
味はというと.. ご想像どおり、今ひとつ :^)
人形売りのおじさんとおばさん。どこにいるかわかります?
クリスマスは日本でいうお正月に近いもので、人々は家族と過ごします。
24日の0時頃にはノートルダム大聖堂でミサが行われておりました。
たくさんの人々で溢れ、大聖堂の外にも賛美歌が聴こえてくる、
そんなクリスマスでした。
現在、Grand Palais(グラン・パレ)で開催されている展覧会、
Edward Hopper(エドワード・ホッパー)を見に行ってまいりました。
彼の作品をまとめて見るのははじめてです。
Summertime, 1943 – Edward Hopper, Delaware Art Museum,
Wilmington, USA / © Bridgeman 2012
白いワンピースの女性には美しく光が差し込み、一見穏やかなようですが
カーテンの隙間やドアの向こうの暗闇によって不気味な印象を与えます。
Edward Hopper, Chop suey,
Collection de Barney A. Ebsworth © Collection particulière
人物は上半身が白く描かれ、目には光がなく、まるで死人のように感じます。
人々の目線は皆ばらばらでもうひとつの世界のにいるような。
Edward Hopper, Night Shadows, 1921, Philadelphia Museum of Art
: Purchased with the Thomas Skelton Harrison Fund, 1962
© Philadelphia museum of art
イラストレーションはどこか映画や写真のような切り取り。
キャロル・リードの『第三の男』が思い浮かびました。
もしくはヒッチコックの映画のようにも感じます。
Edward Hopper, Nighthawks (details), 1942,
Friends of American Art Collection © Art Institute of Chicago
彼の作品には幕の閉じられた舞台がしばしば描かれておりますが、
亡くなる直前に描いた、ふたりのコメディアンが
堂々と晴れ晴れしくたたずんでいる作品に、はっとしました。
展示は2013年1月28日まで。
井上 織衣
Orie Inoue
2008年女子美術大学大学院修了。ファッション造形学科専任助手を務めた後、インスタレーション・イラスト・アニメーションなどの様々な媒体を通したアーティスト活動を行う。
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