自分が生まれた土地、佐渡島の伝統と文化を見つめ直し、500年もの間脈々と継承されてきた「鬼大子祭り」の新しい解釈の衣装と、御祭礼の灯篭の布を2011年4月17日、18日に新潟県津神島神社 (新潟県佐渡市両津大川)で作品発表をしました。
〈鬼組の方々へ衣装提案〉
大川地域の港町特有の風土や文化を織り交ぜながら、大漁旗をモチーフに衣装制作を行いました。
大漁旗と波で表現した衣裳で舞い、鬼太鼓特有の鬼と獅子との掛け合いを表現することで皆に元気を与えます。
鬼の衣装。
鬼の衣装は、この大漁旗を繋ぎ合わせてできています。
獅子の衣装。日本海の荒波のように舞っていました。
獅子の衣装制作風景。10mの生地を筒描きで一気に染め上げました。
〈ワークショップ開催〉
地域の方々との共同で灯篭制作を行い、神社にかかる橋に展示しました。
大川地域の老人会・子供会の皆様と共に灯篭の原画を制作。
山本が半被(はっぴ)にみたてた灯篭に原画をプリントしました。
〈鬼アートプロジェクト記録報告展〉
佐渡で行ったアートプロジェクトの映像・写真記録を、制作した衣装や灯篭などと共に東京にて発表します。
大川地域の皆様に制作していただいた灯篭の原画展も同時発表します。
5月20日(金)〜22日(日)には、表参道の新潟館エスパスで記録報告会を開催します。
【鬼組の方の感想】
若い子が帰って来て、このようなことをしてくれるのはうれしい
【ワークショップを行った小学生の感想】
ぼくの描いた絵がはっぴになってとってもうれしかった
【プロジェクトを手伝った学生の感想】ファッション造形学科4年 友廣あゆみ
私は主に灯篭の制作を手伝いました。まだ見ぬ大川の津神神社の橋に点灯されるのかと思うと、その光景が楽しみで、本番までの時間があっという間に過ぎました。
地元の方達は皆さん協力的で、伝統的なお祭りにこうした新たな試みを歓迎しているように見えました。それはとても難しいチャレンジで、それを達成した先輩を始め、地元の方々は計り知れない信頼関係で結ばれているのだと驚きました。自分の中でいい意味でのショックでした。先輩の、自分のプロジェクトに対する責任感と熱意に圧倒されました。私も今後の制作において、見習いたいと強く感じました。
短い時間ではあったものの、こうした環境に身をおけたということは大変貴重であり、私は幸せ者だと実感しています。こうした気持ちで春を迎えたのは久しぶりです☆キラ
ファッション造形研究領域 眞田岳彦研究室 修士2年 山本 佳那