¥n
私たちは何かを失い、死に近づきながら、過去を記憶し生きている。
10 歳の時、祖父の記憶の中から私がなくなり始めた。
毎日、祖父母の家に帰る私にとって両親と同じくらい近しい存在だったため動揺した。
4 年後の秋に、祖父は私たち家族に思い出を置いて旅立った。
それまで生きていくことは、無限に続くように感じていたが、そうではないことを知った。
大切な人が自分を忘れ目の前からいなくなるという出来事によって、喪失感と空虚感が私を包んだ。
生前祖父が着ていた服に私の気持ちを織り込む。
この行為から思い出を記憶することで、失ったことだけではなかったことに気づく。
そして、新たに生まれる自分を肯定することができる。