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平成24年度パリ賞受賞の井上織衣さんにパリでの暮らしを紹介していただきます。
月日の流れはほんとうに早いもので、もう1月ですね。
わたしは新しい年を友人とフランスの田舎で迎えました。
パリからほど近い場所ですが、すこし離れるだけで
そこには静かな美しい自然が待っておりました。
へんてこりんな地図を持って電車に乗り込みます。
31日〜1日は無料乗車できるということでしたので、気分はるんるん。
パリで購入した牡蠣やシャンパンも一緒に。
駅から歩いて40分。大きな古いお屋敷に到着しました。
わたしたち以外は誰もいませんでしたので貸し切り状態です。
夜空にちりばめられたたくさんの星。
暖炉に薪をくべようかと、お庭から薪を持ってきます。
部屋がぐっとあたたかくなりました。
そして、0時とともにシャンパンで乾杯をしました。
牡蠣もチーズもソシソンもすべておいしくいただきました。
トランプで遊んだり。
ろうそくのあかりを頼りにお屋敷内を探検したり。
バードウォッチング用の双眼鏡で覗いてみたり。
そして部屋の中まで。
翌日、みずみずしい光がわたしを起こしました。
起き抜けに見ました窓から見た風景。
この美しい風景に心が洗われるようでした。
近くに川が流れていて、聴こえるのはキツツキの音、鳥の鳴き声、朝つゆの滴る音。
邪魔な音がひとつもなく、すべてが生きた音でした。
あけましておめでとうございます。
みなさんにたくさんのしあわせが訪れますよう。
井上 織衣
Orie Inoue
2008年女子美術大学大学院修了。ファッション造形学科専任助手を務めた後、インスタレーション・イラスト・アニメーションなどの様々な媒体を通したアーティスト活動を行う。
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