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平成24年度パリ賞受賞の井上織衣さんにパリでの暮らしを紹介していただきます。
パリ中心部から電車で40分ほどの場所にあるヴェルサイユ宮殿。
先日、宮殿で開催されている展覧会を見に行ってまいりました。
展示作家は、イタリアの美術家ジュゼッペ・ペノーネ。
金色の木が、木の皮の服を着ているようです。
金色の皮膚が夕日にあたり、まぶしく輝いておりました。
逆さまに立つ木の根から植物が生えております。
バランスの滑稽さ、そしてそのシルエットに見とれました。
夕暮れ時、長くのびた影で遊ぶ友人。
途中、夕日が遠くに美しいもやをつくっておりました。
作品が少なくてがっかりしていた矢先、展示のサインを発見。
迷路のような道を通り抜け出た広場。
石と踊っているような木々が、ひっそりとわたしたちを迎えてくれました。
そしてこちらは、ブロンズで木を模刻した作品。
中を覗くと、光が生きていました。
ふと上を見ると、カラスが羽を休めております。
彼にとってはただの木なのか、わたしたちが概念をつくっているのか。
自然の中の展示なので、自然そのものの捉え方が変わってきているのを実感しました。
20時半。閉館まぎわのヴェルサイユ宮殿にさようなら。
Penone Versailles
2013年6月11日〜10月31日
Le Château de Versailles ヴェルサイユ宮殿
井上 織衣
Orie Inoue
2008年女子美術大学大学院修了。ファッション造形学科専任助手を務めた後、インスタレーション・イラスト・アニメーションなどの様々な媒体を通したアーティスト活動を行う。
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