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平成24年度パリ賞受賞の井上織衣さんにパリでの暮らしを紹介していただきます。
パリから電車で30分ほどの場所にポワシーという街があります。
駅から歩いて20分もすると、よく教科書で目にしていましたスイスの建築家
ル・コルビュジエのVilla Savoye(サヴォワ邸)が佇んでおります。
中に入ると、まずは青い壁に黒いソファ。
天にも昇るような座り心地。
自然光がやさしく入り込むバスルーム。
ガラス張りの屋上から。外と中が交差します。
さまざまな隙間に人が見え隠れするのはとても興味深いです。
彼のデザインは人が住むことで活きるのだと実感しました。
ひらけた屋上の正面には大きなガラス張りの部屋。
キッチンの流し。気持ちよく料理ができそうです。
排水溝にも白いタイル。
電気のスイッチのデザインもすてきです。
帰り際に出会いました、Gendarme(ジョンダルム)という虫。
この虫も人も、みんな暮らしの場所を見つけているのですね。
わたしはこの先どの国に、どの街に、どんな家に住むのでしょう。
そんなことを考えながら、夏の夕暮れをぼんやりと眺めていました。
森からサヴォワ邸のドアまでコマ撮りしました。
井上 織衣
Orie Inoue
2008年女子美術大学大学院修了。ファッション造形学科専任助手を務めた後、インスタレーション・イラスト・アニメーションなどの様々な媒体を通したアーティスト活動を行う。
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